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【逆指値とは 】わかりやすく解説
英語表記:counter-bid(カウンタービッド)
逆指値とは正式には『逆指値注文』と言います。
通常の指値注文と同様、FXでは基本となる注文方法の一つです。
『逆指値注文』は指定したレートより上がれば『買う』、指定したレートより下がれば『売る』といった注文方法です。
指値注文と同様、『逆指値注文』も売買したいポイント(レート)を予め設定する事が出来る注文方法です。
『指値注文』と『逆指値注文』の違い
『指値注文』と『逆指値注文』の違いですが、『指値注文』は現在のレートよりも有利なレートで売買が行える注文方法なのですが、これとは逆に『逆指値注文』は、現在のレートよりも不利なレートで売買を行う注文方法になります。
わかりやすく言うと、『指値注文』は利益を確定させる注文方法ですが、『逆指値注文』は損失を確定させる注文方法です。
これは損切り(ストップロス注文)を執行する手段として用いられるのが主な目的です。
『逆指値注文』のメリット
損失を限定する事ができる
- ストップを置く事でファンダメンタルズ等での大きな動きに対処できる
損失を限定する事ができる
『逆指値注文』の最大メリットは損失を限定させることが出来る事です。
例えば『逆指値注文』を設定せずに取引を行ったとします。
思惑方向とは逆方向にレートが傾き、損失が生じたとしましょう。
いつかレートが戻るだろうという安易な気持ちで取引を継続し、結局は損失を大きく抱えて取引を終えます。
人間というものは目先の利益は直ぐ確定するのですが、損失に関しては直ぐに確定できない生き物です。(※プロスペクト理論)
こういった損失を雪だるま式に増やす事のないよう『逆指値注文』は設定すべきだと私は考えます。
ファンダメンタルズ等での大きな動きに対処できる
為替相場では、ファンダメンタルズ等の影響により相場が大きく動く時があります。
前もって情報が取れる経済指標や要人発言なら、その時間は取引を控える等の手段を講じる事で対処も出来るでしょう。
しかし有事(戦争)や天変地異(大地震)、また投機筋の莫大な資金による売買等があれば予告なしに為替レートは大きく動きます。
『逆指値注文』は、こういった不意な為替レートの動きにも対処できる注文方法でもあるので、保険という意味合いでも『逆指値注文』を設定する事を推奨します。(※不意な為替レートの動きに逆指値注文が全て約定する訳ではありません。スリッページもあるので注意が必要です。)
『逆指値注文』のデメリット
- 初心者等は使いづらい
- 注文が滑る(※スリッページ)
- 臨機応変に発注できない
初心者等は使いづらい
『逆指値注文』は、『指値注文』と同様に設定するポイントが非常に重要になります。
初心者等の方で、この『逆指値注文』でよく見受けられるシーンがあるのですが、あと数ピップス、設定値をズラしていたら損切りに合わなかった等です。
ある程度、勝てる手法をお持ちのトレーダーなら設定値も容易に決める事ができるのですが、初心者等の方はFXでの経験や知識に乏しく、最初は設定値を決める事が少々難しいかも知れません。
注文が滑る
前述したように、大きく相場が動いている時は『逆指値注文』を置いた(設定した)ポイントに達しても約定しないことがあります。(※スリッページ)
臨機応変に発注できない
例えばチャート画面を見て取引できそうな場面があったとします。
成行注文では現在のレートをクリック一つで約定しますが、『逆指値注文』ではそうはいきません。
『逆指値注文』を出すポイントを考えたり、設定値を入力する手間があったりと臨機応変には対応しづらい注文方法でもあります。
絵で見る『逆指値』
上の参照図は『逆指値注文』をイメージしたものです。
上昇すると考え、100円で新規『買い』の注文を『指値注文』で設定し、『逆指値(ストップロス)』を99円で設定したと想定します。
買った以降、少しは思惑方向に向かいますが途中から下落へ転じ、結局は99円に設置した『逆指値』に掛かり注文が成立したという流れです。
参照図を見て分かるように、『指値注文』が現在のレートより有利なレートで注文するのに対し、『逆指値注文』は現在のレートより不利なレートで注文を出しているのが分かります。
しかしこれは現在レートより不利なレートで注文することで、損失を予め限定したり、また利益を確保したりすることが可能となる注文方法でもあるので、ある意味トレーダーを守る注文方法だと言う事を覚えておきましょう。
『逆指値』の重要性
初心者等は必ず『逆指値』を設定して下さい。
良くありがちなのは考えてエントリーしたにも関わらず、レートがその後『逆行』し、ズルズルと損失だけが拡大するといったトレードです。
仮にこういった『トレード』でも、レートが戻るという強い根拠が持てるなら話は別です。
しかしそうで無いなら直ちに損切りを執行すべきです。
仮に損切りを執行後、レートが戻ってきても根拠が無ければそれは只のタラレバです。
根拠なきトレードは只のギャンブルトレードにしかならない事を覚えて下さい。
もちろんギャンブルでFXする方なら別です。
『パレートの法則』とは
『パレートの法則』は皆さんご存知でしょうか。
私はFXを行う際、この『パレートの法則』は意識します。
マーケットにおける『パレートの法則』は、8割の損得が20%のトレードに起因すると言われています。
これは10回のトレードのうち2回の大きな勝ち負けがあり、それがトータルでの勝敗を決めるというものです。
この部分だけを切り取ると、『トレードでは勝つことだけではなく負けないこと(大負けしない)が重要』だという事が分かります。
つまりは『2回大きく勝つこと』も重要なのですが、『2回大負けしないこと』もトレードでは重要な要素になります。
普段はそこそこ勝っているトレーダーでも、トータルで負けているトレーダーの大半がこういったトレードを行っている方達です。
私もご多分に漏れずFXを始めてから3年間がそうでした。
これを『意識』し、トレードを行うだけでトータルでの勝ちを掴みとった経験もあります。
あなたが未だ『逆指値』を導入されていないのであれば、直ちに『逆指値』を導入すべきです。
思惑がハズれ、レートが逆行するなら『逆指値』でカットされます。
トレードではこういった流れ(感情移入をしない事が重要)がトータルで勝つには必要なのです。
また『逆指値』に掛かった後は、その取引を必ず検証して下さい。
『逆指値』に掛かった原因を追究することで、あなたのトレード力を大きく伸ばすチカラになるでしょう。
『逆指値』にレートが達すると嫌な気持ちになるものです。
しかしそれは損失を広げた訳ではありません。
損失を最小限に留める事ができたという事を理解しておきましょう。
マトメ
トレードを行う前にエントリーポイントとイグジットポイントを明確にしたトレードプランの作成の重要性は別記事にも書き留めています。
トレードプランには必ず『逆指値』もセットで入れる事が重要です。
またパレートの法則は、トレードに欠かす事のない重要なヒントを与えてくれています。
継続して勝てるトレーダーを目指すなら、トータルで勝つ重要性は知っておくべき内容でしょう。