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『ファンダメンタルズ』とは
『ファンダメンタルズ』とは、経済活動の状況を示す基礎的な要因のことを言い、経済の基礎的条件と定義されています。
良く耳にする、経済成長率(GDP)や雇用系指標(失業率や新規雇用者数他)、物価指数(CPI・PPI他)、国際収支(経常収支・貿易収支他)等の各種指標も全て『ファンダメンタルズ』に該当します。
また『ファンダメンタルズ』は、FXでトレードを行うトレーダーにとっても重要な項目です。
不意な『ファンダメンタルズ』の影響によっては相場は時に大きく変動します。
こういった『ファンダメンタルズ』の動きに少しでも対処できるよう、事前に『ファンダメンタルズ』を深く知る必要性があるでしょう。
今回は『ファンダメンタルズ』の中でも特に重要な項目へ的を絞り、分かりやすく解説を行います。
『ファンダメンタルズ』は大きく分けて5種類
では、それぞれをわかりやすく解説していきます。
1.『金融政策』
『金融政策』で代表的なものはアメリカの金融政策を決定する『FOMC』があります。
『FOMC』は日本で言う中央銀行的な機関になり、自国通貨でもあるUSドルは基軸通貨という観点から世界でも最重要視される『金融政策』です。
基本的に『金融緩和』での利下げ時は、通貨の供給量が増えます。
すると通貨の価値が低くなり通貨安となる事を覚えておきましょう。(※利上げ時は逆)

マーケットが大きく動く要因になる『要人発言』
金融政策に深く関わる『要人発言』でもマーケットが大きく動く時があります。
ではこういった発言の何処を注視すれば良いのでしょう?
答えは意外と簡単です。
それは『要人』が今まで公言してきた事と違う事を言い出し始めた時です。
例えば『アメリカ』を例にとって解説します。
今まで『マーケットの動きはマーケットに任せる』と発言した要人がいたとします。
その要人がある日突然『必要とあれば早急に対応する・・』等の発言です。
マーケットは、こういった発言と同時に大きく動き始めます。
意外と良くある光景なのでトレーダーなら覚えておいて損はないハズです。
こういった『要人』の発言内容によっては、大きくマーケットを動かす要因にもなるので注意が必要です。
『要人』とはどういう人物なのか?
では『要人』とはどういった人物なのでしょうか?
それは各国の『為替政策』に対し最終的に決定権を持つ人物です。
アメリカなら『財務長官』及び『財務次官』がこれに該当します。
この2つのポストはアメリカでの『為替政策』を決定づける重要なキーマンとなります。
あと最近では、SNSを使ったアメリカ大統領の『トランプ砲』も有名ですね。
実はコレも仕掛けがあるのをご存知でしょうか。
マーケットにおける『トランプ大統領』の発言はかなり重要視されていますが、彼の側近の発言(ホワイトハウスの報道官)もこれに絡んで重要視されています。
大統領を始め彼らの発言には『経済』に関する隠された意図があるのです。
悪く言うと『為替操作』にあたります。
直接的ではないものの間接的に為替を誘導している現実があるのです。
既に金融関係者はSNSを重要なチェックリストに挙げています。
私たちトレーダーも、SNSを使った『重要人物』の発言は常にチェックできるよう心掛けましょう。
これも時代の流れです。
日本で注意すべき『要人発言』
日本における『重要人物』は4人です。
- 財務大臣
- 財務省財務官
- 財務省国際局長
- 日銀総裁
日本の場合は『財務大臣』と『日銀総裁』の発言内容が、コレまでと変わってきた時が重要になります。
上記4つのポストが一般に『要人』と呼ばれているのですが、特に『財務大臣』と『日銀総裁』が最重要視されています。
※『日銀総裁』の発言が注目され始めたのは『速水前総裁』が有名です。彼は『円高』を好んだ『発言』を連発した要人でもあります。マーケットは彼が就任当時に発言した内容で動いた事もあります。彼が就任する前の『日銀総裁』の『発言』は左程重要視されていなかったポストでもあったのです。
その他の国の『要人発言』
欧州ではECBに関連する重要人物(ECB総裁等)の発言、あとは金利動向次第でマーケットが大きく動く国(一般的に金利が高い国であるイギリス・オーストラリア・ニューージーランド等)の『中央銀行』に属する『重要人物』の発言には注意が必要です。

民間人で発言内容が重要視される人物
有名な投資家、世界各国の金融当局OB、著名なエコノミスト、またはコラムニストがこれに該当します。
『投資家』では以下3名の発言が現在(2019年時点)注目されています。
●ウォーレン・バフェット
●ジョージ・ソロス
●ヌリエル・ルービニ
『ウォーレン・バフェット』
本名はウォーレン・エドワード・バフェット、1930年生まれ。
世界的にも著名なアメリカの投資家で、世界最大の投資持株会社である『バークシャー・ハサウェイ』の筆頭株主であり、同社の会長兼CEOを務めています。
彼の格言でもある『買うのは企業、株ではない』は余りにも有名です。
世界中の投資家の中ではバフェットが動くと相場が動くとまで考えている人もいるほどです。
『ジョージ・ソロス』
1930年生まれでハンガリー・ブダペスト生まれ。
投機家、投資家、ヘッジファンドマネージャー、哲学者でもあり『ソロス・ファンド・マネジメント』会長です。
ソロスは、世界中の投資家からリスペクトされる『生ける伝説的投資家』と言われる方で、彼の発言一つで相場が動く場面も過去に見受けられます。
もはや伝説となった話ですが、イギリスでの通貨危機の際、為替レートとファンダメンタルズの『ズレ』に彼は気付きます。そして100億ドルもの空売りを仕掛けるのです。
ヘッジファンド が 国家へ戦いを挑み、世界で始めて国家に勝利した事はあまりにも有名な話です。
彼の代表する格言では『相場は必ず間違っている』や、『まず生き残れ、儲けるのはそれからだ』が有名です。
※ジョージ・ソロスが考案した『ソロス・チャート』を詳しく知りたい方はココをクリック!
『ヌリエル・ルービニ』
彼をまだ知らない日本人投資家も多いと思いますが、1959年生まれのアメリカの経済学者で現ニューヨーク大学の教授です。
彼が相場に影響を与える立場になったのは、2008年の米国のサブプライムローンに端を発する『世界金融危機』を予言した事がキッカケです。
彼は2011年に『2013年に中国経済はハードランディングになる可能性がある』と言う予測を出し現在も注目されています。
個人的には他に何人か挙げておきたい人物がいるのですがココでは割愛します。
『ジム・ロジャース』に関しては賛否が分かれるところでしょう。
2.『インフレ率』
次は2の『インフレ率』です。
では物価が上がることをイメージしてください。
例えば今まで1.000円で買えていたものが、2.000円出さないと買えなくなったとします。
すると相対的には円(通貨)の価値が下がるということに繋がります。
こういった『インフレ現象』が起こると、消費者は購買意欲を無くします。
そこで国は金利を上げて通貨の価値を上げようとします。
そうすると最終的には通貨が買われるという図式が出来上がるのです。
では整理しましょう。
インフレ率の上昇 ➡ 金利上昇 ➡ 通貨高 という図式です。
つまりはインフレ傾向にある国の通貨は買われやすくなるという事です。
3.『政治的要因』
次は『政治的要因』です。
代表的なのが、その国における政権交代時の『政策転換』です。
金融業界には『国策には逆らうな』という言葉があります。
これはメガバンク等の巨大金融機関であっても、国の政策に文句をつけるなということです。
『政策転換』の内容次第では、為替に大きな影響が出る事もあるので注意が必要です。
また、『政治不安』を抱える国などは、緊張が高まるとその国の通貨は売られやすくなる傾向があるので覚えておきましょう。
政治が混迷を期すと経済政策面での決定事項の遅れや先延ばしの可能性が生じ、投機筋などはそれを懸念材料とし、その国の通貨を敬遠する傾向が強くなるからです。
4.『地政学的リスク』
次に4の『地政学的リスク』です。
『地政学的リスク』とは、テロや有事(戦争等)などのリスクのことを指します。
未だ記憶に新しい『有事のドル買い』相場が続いてた当時、『9.11(アメリカ同時多発テロ事件』が発生します。
この時ばかりは極端なドル売り相場となり、為替の世界を震撼させたのを皆さんも良く覚えていると思います。
この時のように、今後にこういった事態が生じると間違いなく相場は大混乱に陥ります。
ここで覚えておいて欲しい事があります。
例えば、この『地政学リスク』が生じたとイメージして下さい。
その起こった場所が、例えば『先進国(経済大国)』や『原油生産国』の近くだったら市場はほぼ間違いなく大暴落となるので注意が必要です。
この時ばかりは世界同時株安・通貨安・債券安と大暴落を必ず引き起こす事になります。
また『有事』が起こった際には戦争発生確率が非常に高くなります。
この時は『原油』や『金』、『スイスフラン』が買われる傾向があるので覚えておいて損は無いでしょう。
5.『その他の金融マーケット』
最後に『その他の金融マーケット』について。
『投資資金』の流動は、単に為替市場だけではなく株式市場や債券市場、不動産市場と多岐に渡って循環されています。
為替市場だけでは相場が成り立たない現実があるという事です。
分かりやすい事例で『サブプライムショック』があります。
この『サブプライムショック』の発端は何かご存知でしょうか。
そうです、不動産価格の下落から先ずは始まります。
この不動産価格の暴落で、株価も連動し暴落を始めます。
その後、株価の暴落を引き継ぎ『為替相場(ドル安)』も暴落したのです。
『為替相場』と他相場が如何にリンクされているのが良く分かる事例でもあります。
『ファンダメンタルズ』を使ったトレード
中でも有名なのは『雇用統計』を使ったトレードです。
米国における景気の良し悪しを判断する、月1回発表の雇用統計は全世界のトレーダーが注目する重要な指標となります。
またこの雇用統計を使い、スキャルピング手法で果敢に取引を行うトレーダー達が後を絶ちません。
私自身もFXを始めた当初は取引を行っていましたが、只のギャンブルトレードだという事に気付いてからはトレードを行っておりません。
信憑性のある事前情報を分析し、幾度もトレードを行いましたが最終的にはマイナス収支です。
これを見る初心者等の方へ『ファンダメンタルズ』等を使った指標トレードは推奨しません。
『雇用統計』を使ったトレードは事前情報があっても、根拠の無いギャンブルトレードにしかならない事をココに書き留めておきます。
まとめ
少し長くなりましたが、トレードにおける『ファンダメンタルズ』の重要性は分かって頂けたでしょうか。
今回解説した内容は『ファンダメンタルズ』の中でも特記すべき項目ばかりです。
トレーダーなら『ファンダメンタルズ』は必ずアタマに置き、日々チェックを怠わる事のないよう注意しておきたい項目です。
中でも最も注目すべき『ファンダメンタルズ』は『金融政策』だという事も最後に書き留めておきます。
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本質は全く違う所にあります。
投資歴30年でようやく構築した独自のロジックを、『FXの極意(ハント・ダウン)』へ全てを記述し、公開する事にしました。
過去には私自身も『FXは絶対に勝てない』と諦めた一人ですが、現在このロジックを使用し、夢を一つ、また一つと実現しております。
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