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『プロスペクト理論』とは/分かり易く解説
『プロスペクト理論』とは
- 英語表記：Prospect theory
- 考案者：ダニエル・カーネマン＆エイモス・トベルスキーの両氏（行動経済学者）
- 提唱年：1979年の学説
- 『プロスペクト』の意味：期待、予想
投資以外でも、『プロスペクト理論』はギャンブルや恋愛など意外なところでも多く使われています。
この『プロスペクト理論』に関しては多少賛否もありますが、昨今では専門書も多く出回るぐらい人気があります。
私達トレーダーにも非常に人気が高く、且つ実践でも有効に使える理論です。
私自身もＦＸで取引を行うとき、この『プロスペクト理論』は常に意識していた過去が在ります。
これを読むあなたが未だ『継続して勝てる手法』等をお持ちでないなら、この『プロスペクト理論』はきっと役に立つでしょう。
ご自身のトレード手法に是非組み込んでみて下さい。
今回はＦＸで使用する『プロスペクト理論』に着目し、初心者の方にでも分かりやすく解説を行います。
FXでの『プロスペクト理論』とは、『トレーダーは目の前にある利益を早く確実に得ようします。
またこれとは逆に損失がある場合、その損失を少しでも抑える為、根拠もなくレートがまた戻って来るという主観的な考えで長くポジションを持ち続け、最後には大きな損失を出す結果に繋がる』という価値観数を軸にした損失回避の理論です。
『プロスペクト理論』における利益への思考
例えばあなたが『ドル/円』を使い『ドル買い』を行ったとします。
そしてレートが思惑通りに『円安／ドル高』へ向かったとしましょう。
するとあなたは目先の利益欲しさに、元々目標とする利確ポイントがあるにも関わらず手前で利確する事を選択します。
その後、レートはあなたが目標に置いたポイントに到達するという流れです。
これは『プロスペクト理論』で言う、『トレーダーは目の前にある利益を早く確実に得ようとします。』からくるものです。
『プロスペクト理論』における損失への思考
では逆に損失のポジションを『ドル/円』で持ったとします。
あなたはその『損失』を少しでも抑える為、『戻って来て欲しい』という主観的な考えを持ち、レートが戻って来るのをひたすら待ち続けます。
すると見る見るうちに『損失』が膨らみ、最悪の場合は『ストップロス』に掛かりトレードが終了です。
こういったトレードは初心者に限らず、誰しもが経験する事です。
しかし残念ながらこういったトレードは『ギャンブルトレード』を行っていると認識して下さい。
FXでは、思惑通りの方向でなければ直ちに『損切り』を執行することが重要です。
思惑通りの方向なら、トレードに必要な『根拠』の証であり、そうでないなら『根拠』を持たない只の『ギャンブルトレード』になるからです。
『いつかまた戻ってくるだろう・・』という発想でトレードを行っている限り、ＦＸで継続して勝つ事が難しいのは当然の事で、最悪は退場する羽目になるでしょう。
これは『プロスペクト理論』の『損失がある場合、その損失を少しでも避けようとトレーダーは長くポジションを持ち続けます。』からくるものです。
『損小利大』とは
投資の世界では、『損小利大』という言葉が在ります。
これは損失を出来るだけ小さく抑え、利益は出来るだけ大きく伸ばすという、投資の世界では理想とされる『トレーディングスタイル』の事です。
『損小利大』を可能とする『プロスペクト理論』を使ったトレード
私がＦＸで中々勝てない時期、『損小利大』を強制的にカラダへ叩き込んだ過去があります。
ココでそのやり方を少し紹介します。
ＦＸで中々勝てないという時期は、トレードにおける『根拠』が薄いというのが一番の要因です。
この時期に『プロスペクト理論』を知らずにトレードを行えば、大切な資金を溶かすどころか最悪は相場からの退場にもなり兼ねません。
そこで私が行ったのは、『プロスペクト理論』を用いた下記に示す2つの行動です。
- 『トレードルール』に組み込む『トレードプラン』へ、『エントリーポイント』と『イグジットポイント』をトレード前には明確にする事。
- エントリー後はチャート画面を落とし、トレードが完結するまでチャートを見ない。（相場動向を確認しない）
『トレードルール』の中に組み込む『トレードプラン』へ、『エントリーポイント』と『イグジットポイント』をトレード前には明確にする事。
これは『プロスペクト理論』にある、『トレーダーは目の前にある利益を早く確実に得ようとする』への対処法です。
これからトレードを行うという事は、トレーダーとして何らかの『エントリー根拠』があるはずです。（無ければ只のギャンブルです。）
『エントリーポイント』と『イグジットポイント』の設定は、必ずトレード前に行うよう心掛けて下さい。
また中々勝てない方や初心者等に多いのが、トレード中に設定値を何度も変えるといった行為です。
こういった行為もＦＸで中々勝てない大きな理由の一つと認識して下さい。
トレード前は相場を客観視できますが、参加者として一旦相場に入ると初心者等は主観的に相場を捉えてしまいます。
こういった理由で相場が思惑方向と違うなら、根拠も無く『また戻って来る（損失を直視できない）』という考えが『プロスペクト理論』です。
具体的には、もうそこにはトレードに必要な『根拠』が既に無いという事になります。
トレード前に決めた『エントリーポイント』と『イグジットポイント』があれば、それはあなたが客観的に相場を分析した、今のあなたのレベルでは最良のポイントになるハズです。
今のあなたのレベルで正しく根拠づけられた『エントリーポイント』へ『指値』を設定し、『イグジットポイント』に『逆指値』を設定して下さい。
その後、思惑方向へレートが動き、『利確』出来たなら先ずは成功です。
もし逆行すれば必ず検証を行い、『負けた』理由を探して下さい。
これを繰り返す事でトレードに必要な『根拠』が自然と上積みされていきます。
✔エントリー後はチャート画面を落とし、トレードが完結するまでチャートを見ない（相場動向を確認しない）
エントリー後はチャート画面を一旦閉じ、トレードが完結するまで待ちます。
理由は前述した通り、中々勝てない方や初心者等がエントリー後もチャートを見続ければ目視によるバイアスが掛かり、相場を『主観的』に捉え始めるからです。
チャートを見続けると、初心者等は相場の動きに耐えられなくなり各設定値を都合よく動かし始めます。
何度も書きますが、相場へ参加する前に決めた『エントリーポイント』と『イグジットポイント』は、今のあなたのレベルでは最良のポイントになるハズです。
エントリー後、思惑とは逆方向に相場が動いても『ストップロス』が機能して損失を最小限に留めるでしょう。
また、思惑通りの方向に相場が向かえば最大の利益が獲得できます。
これが過去に私が行った『損小利大』のやり方です。
あなたがトレード前に抽出した『エントリーポイント』と『イグジットポイント』における根拠があるのなら、一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。
またこれを繰り返すことによりトレード根拠も上積みされ、取引自体に自信がついていきます。
そうなればチャートを落とす事なく（パソコンを閉じる事なく）相場を徐々に客観視できる様になるでしょう。
『プロスペクト理論』が必要なくなれば『勝ち組』へ昇格
私は現在独自の『ロジック』でトレードを行っています。
ＦＸを始め5年目でようやく構築できたもので、継続して勝てる『ロジック』です。
この『ロジック』を構築してから『プロスペクト理論』をほぼ使っておりません。
何故なら私の『ロジック』では、『エントリーポイント』と『イグジットポイント』は既に決まっているからです。
個人的な見解ですが、『エントリーポイント』と『イグジットポイント』はトレーダーが決めるものではなく、全て相場が既に決めているという考え方です。
もちろん私が使用する『ロジック』は聖杯ではございません。
解析ミスによる『損切り』等の場面もあります。
しかしトレードにおける根拠が強く、思惑方向とは逆にレートが動いてもジタバタせずにポジションを持ち続ける事が出来ます。
こういった理由で、皆さんが知る『リスク・リワード』も私の場合は極めて悪いのが特徴です。
しかし収益は右肩上がりで、勝率等も皆さんが聞けば信じてもらえない数値だと思います。（※ツイッターでリアルトレードを公開しているので興味ある方はご覧下さい。）
勝ち組に入るまでは『プロスペクト理論』は必須
継続して勝てる手法等を未だお持ちじゃないトレーダーや初心者等に、『プロスペクト理論』は必須です。
私自身がそうだったように、勝てない時期は『プロスペクト理論』を使った『トレードプラン』が取引において重要なカギを握ります。
こういった『トレードプラン』の持ち合わせも無く、初心者等が取引を行うなら後には退場しか無いでしょう。
キツイ言い方をしますが、これがFXです。
シッカリとした根拠付けが出来るまで、『プロスペクト理論』を理解しておく事がトレーダーには必要です。
