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『損切りとは』意味をわかりやすく解説
現役のトレーダーでさえ『損切り』と『ロスカット』を同じ意味合いで使用されている方を多く見掛けます。
今回はこの『損切り』や『ロスカット』、またこれに付随する『強制決済』について分かりやすく解説していきたいと思います。
『損切り』とは
- 読み方:そんぎり
- 英語表記:loss cut(ロスカット)
- 為替用語ではストップロスとも言います。
『損切り』とは、含み損が発生しているポジションを見切り売りし、自らが損失額を確定する行為を言います。
例えば、マーケットが自分の思惑とは違った方向に動き、現状以上に損失を増やさない為に、含み損を抱えた状態での損失確定を執行する行為の事です。
『損切り』は自らが『損』を『切る』という意味です。
『ロスカット』と『強制決済』
FXでは、トレーダーの意に反して相場が動いた場合は損失が発生します。
この時の損失の拡大を防ぐ目的で『ロスカット』と『強制決済』というものがあります。
『ロスカット』とは
FXは、レバレッジという特別な仕組みを利用する金融取引です。
これにより投資額に対して最大25倍(※国内FX取引業者)の取引が可能になります。
予測通りにマーケットが動けば少ない資金でも効率よく利益を生むことが出来ますが、予測に反して相場が動いた場合は損失もそれに合わせ大きくなるのが特徴です。
そこで一定の損失が発生した場合、それ以上損失が拡大してしまわないよう強制的に取引を終了させるというルールが『ロスカット』にあたります。
『損切り』は自ら損失を確定するのに対し、『ロスカット』は契約するFX取引業者が、トレーダーがこれ以上損失額を増やさないようにするルールでもあるのです。
ここに『損切り』と『ロスカット』の大きな違いがあるので覚えておきましょう。
※『損切り』の英語表記はloss cut(ロスカット)です。この表記が日本で誤解を招く一つの要因になっています。
『ロスカット』される仕組み
『ロスカット』される場合、基本的に有効証拠金が取引証拠金×100%の数値を下回った場合に実行されます。(※有効証拠金とは口座の残高に評価損益を加えたレート値)
取引証拠金×100%とは
仮に1米ドル=100円とした場合でイメージします。
1万ドルの取引では総代金として100万円を運用することになります。
国内のFX業者の25倍のレバレッジで想定した場合、この総取引額100万円の約4%が証拠金として必要です。
- 取引証拠金:1,000,000円×4% = 40,000円
- ロスカット値の計算:取引証拠金×100%=40,000円
有効証拠金残高が40.000円を割り込んだら『ロスカット』が実行され、ポジションが自動決済されるという事になります。
ここで仮に50,000円の入金を行いトレードをスタートした場合、ー10,000円を超える評価損が発生した時点で『ロスカット』が執行されるという具合です。
ではー10,000円を超える評価損が発生するという事は、いくら相場が変動した事になるでしょう?
例では1万ドルを取引していますのでー10,000円の評価損が発生するには、ー10,000円÷1万米ドル=-1円となり、1円000銭を超えて下落すると『ロスカット』になるという仕組みです。
『強制決済』とは
『強制決済』ですが、例えばニューヨーク時間で説明すると、営業日ごとのニューヨーククローズ時点(※米国標準時間の場合は日本時間午前7時、夏時間の場合は午前6時)において、あなたの維持率が100%を下回った場合、その不足額を発生日当日(週末の場合は翌営業日)の午後11時59分まで(一部FX取引業者により異なる)に解消しないと、日本時間午前0時より未決済ポジション全てが順次、反対売買(成行注文)により強制的に決済される事を指します。
ニューヨーク時間でポジションを保有し、ロールオーバーしたところで窓空けギャップに掛かり『強制決済』というパターンも多いので注意が必要です。
『強制決済』の解消方法
①不足額を入金すること。
②未約定の新規注文がある場合、注文の一部または全て取消しにする。
③保有ポジションの一部または全てを決済する。
マトメ
今回は『損切り』や『ロスカット』、『強制決済』について解説しました。
FX初心者等の方は最初から根拠付けできるトレードを行うのは難しいのが実情です。
最初は思惑とは違うトレードが大半になると思います。
こういった場合、初心者は戻って来て欲しいという根拠のない理由でポジションをホールドし、最後は『ロスカット』で取引を終えるという最悪のパターンに陥りやすくなります。
これを防ぐには、思惑方向と逆にレートが動いた場合には如何に早く『損切り』できるかが重要です。