【リーマンショックとは】わかりやすく解説

【リーマンショックとは】わかりやすく解説

 

今回は直近に起こった経済危機、『リーマンショック』について改めて深堀したいと思います。

 

コロナショックとは本質が異なり、世界経済への影響も、この『リーマンショック』に比べコロナショックの方が桁外れに大きくなると思います。

 

『リーマンショック』時に受けた世界経済のダメージ等、少しでも読者の皆さんに情報をお届けしたく書き留めました。

 

『リーマンショック』とは

 

『リーマンショック』とは、2008年9月15日にアメリカの投資銀行、リーマン・ブラザーズが経営破綻したことにより始まる世界的な規模での金融危機のことを言います。

 

日本では通称『リーマンショック』と呼ばれていますが、海外ではBankruptcy of Lehman Brothers、the collapse of Lehman Brothers、the global financial crisis、the 2008 financial crisisと呼ばれています。

 

では、世界経済を大きく揺るがした『リーマンショック』について深堀しましょう。

 

 

 

リーマンショックとは、わかりやすく
リーマンブラザースの破綻から始まった『リーマンショック』

『リーマンショック』による世界経済への影響

 

『リーマンショック』とは、アメリカの大手投資銀行(当時の全米第4位の規模)のリーマン・ブラザーズの経営破綻を発端とした、世界的な金融危機または世界同時不況のことを言います。

 

発端となったリーマン・ブラザーズの経営破綻は、負債総額が約6,130億ドル(約64兆円)にのぼるアメリカ史上過去最大級の経営破綻となります。(※日本法人のリーマンブラザーズ証券は負債総額が約3兆4314億円と言われています。)

 

これは1930年前後に起こった世界恐慌以来の大型金融危機になり、これによって世界的な信用収縮に陥り企業活動へ大きな影響を及ぼしたのは言うまでもありません。

 

日本やヨーロッパ、アメリカを含む国々がマイナス成長に陥った上、デフレ懸念も広がり、また全世界における大企業の倒産が相次いだのもこれが原因とされています。

 

先進諸国における金融機関の収益悪化、これらの救済や景気対策の危機対応の遅れに加え、景気悪化による税収の減少が各国の財政を大きく圧迫した時期もこの時期と重なります。

 

この『リーマンショック』は歴史的な流れを見ても、只の一企業の経営破綻というレベルの出来事ではありません。

 

サブプライムローン問題を皮切りに、世界中を金融危機に陥らせ、更には逆資産効果と需要消失による世界同時不況になったキッカケとなり、世界の実態経済に大きな痛手を残す事になります。

 

 

 

リーマンショックとは、分かりやすく

『サブプライムローン』

 

2007年、アメリカにおける『サブプライムローン問題』に始まった住宅のバブル崩壊。

 

翌年の2008年には資産価値の大暴落を引き起こします。

 

この時期に証券化ビジネスでリスクを好んで取っていたリーマン・ブラザーズが連邦裁判所に破産申請し破綻します。

 

 

 


アメリカ政府による予想外の対応

 

アメリカ政府は過去にあったベアー・スターンズ(2008年3月破綻)の経営危機に関しては救済処置をしており、当時マーケットでは経済への影響があまりに大き過ぎるリーマン・ブラザーズへの救済処置が行われると考えられていました。

 

しかしアメリカ政府は共済処置を行う事無く(※破綻前夜まで交渉は続きましたが結局身売り交渉が頓挫し最終的にアメリカ政府は救済合意にサインをしませんでした。)リーマンブラザースは破綻します。

 

これを発端に世界的規模での株式相場の大暴落が始まります。

 

 

 


『リーマンブラザース』経営破綻後の相場動向

 

『リーマン・ブラザーズ』の破綻を発端にし、第二の『リーマンブラザース』が出現し、アメリカの大手金融機関の連鎖経営破綻が起こるのではないかという噂がマーケットに流れだします。

 

これにより資金調達の場であった金融マーケット全てが機能不全に陥ります。

 

日経平均株価は、『リーマンブラザース』破綻から約1カ月半で4割前後も下落します。

 

 

 

リーマンショックとは、わかりやすく
FRBが動く

『FRB』の対応策

 

『リーマン・ブラザーズ』の破綻の余波は世界経済を奈落の底へと追いつめます。

 

アメリカの中央銀行にあたる『FRB』を始め、世界各国の中央銀行は市場へ資金を直接供給することになり、欧米諸国を中心とした大手金融機関に対しては公的資金を使い資本注入や損失保証などが行われます。(※リーマンブラザーズに続き保険最大手であるAIGが破綻危機に陥ります。この時は『FRB』が緊急融資を行い政府管理下の元で経営再建へ繋げます。)

 

 

 


『リーマンショック』の予兆

 

諸説ありますが、『リーマンショック』はある日突然に起こった金融危機ではないと言われています。

 

前兆となる事象が数年前から多く起こっていたのを皆さんはご存知でしょうか。

 

一部の投資家は、『バブル崩壊』をも予測していました。

 

 

 


『リーマンショック』に関する年表

 

『リーマンショック』に関する出来事を時系列にマトメました。

 

  • 2007年8月〜フランス大手銀行、『BNPパリバンク』が証券化商品の運用ファンドを凍結
  • 2008年3月16日〜JPモルガンがベアー・スターンズを救済買収する
  • 2008年9月7日〜アメリカ政府が住宅公社救済策を発表する
  • 2008年9月15日〜『リーマン・ブラザーズ』の経営破綻(負債総額約6130億ドルと過去最大級の倒産)
  • 2008年9月16日〜世界的レベルでの金融システム崩壊を防ぐため、アメリカ金融当局は前述した『AIG』の救済策を発表(FRBが公的資金を注入し当局管理下で再建を図る異例の措置に踏み切る)
  • 2008年9月18日〜日本、アメリカ、ヨーロッパなど6カ国がドル資金供給策を発表
  • 2008年9月20日〜アメリカ政府は大手金融機関を公的資金で救済する『金融安定化法案』を議会で可決
  • 2008年9月22日〜『三菱UFJ』が『モルガン・スタンレー』への出資方針を公表
  • 2008年9月29日〜アメリカの下院で『金融安定化法案』が否決され、ダウ平均が過去最大の777ドル下落
  • 2008年10月3日〜アメリカ議会で『金融安定化法』がようやく成立(最大7000億ドルの公的資金を投入)
  • 2008年11月9日〜中国政府が4兆元(約60兆円)の経済対策を発表
  • 2008年11月14日〜世界規模での『金融危機』の中、金融システムと世界経済の安定を目指し初の『G20サミット』を開催
  • 2008年11月23日〜アメリカ金融当局が『シティグループ』への救済策を発表
  • 2008年12月16日〜アメリカの中央銀行に当たる『FRB』が事実上のゼロ金利政策量的緩和策を発表。アメリカに依るゼロ金利政策は過去初めて。

 

 

 

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