【NYダウとは】わかりやすく解説

【NYダウとは】わかりやすく解説

 

今回取り上げる『ニューヨークダウ』ですが、同じ類の言葉が多く使われている事もあり困惑されている方も多いと思います。

 

先ず始めに『ニューヨークダウ』とは何なのか、言葉の整理をしていきましょう。

 

『ニューヨークダウ』の正式名は『ダウ・ジョーンズ工業株価平均』と言います。

 

この『ダウ・ジョーンズ工業株価平均』を略して『ニューヨークダウ』、または『ダウ平均』と呼んでいます。

 

この『ダウ・ジョーンズ工業株価平均』を算出する会社が『ダウジョーンズ』です。

 

では『ダウジョーンズ』について先ずは解説していきましょう。

 

 

 

NYダウとは、分かりやすく
『ダウ・ジョーンズ』を深堀

『ダウジョーンズ』とは

正式名称:ダウ・ジョーンズ・アンド・カンパニー

 

『ダウ・ジョーンズ社』は、ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)の発行元でもあり、今回のタイトルでもある、『ダウ・ジョーンズ工業株価平均(通称ニューヨーク・ダウ)』を算出している会社です。

 

1882年、チャールズ・ダウ(Charles Dow)とエドワード・ジョーンズ(Edward Jones)、 チャールズ・バーグストレッサー(Charles Bergstresser)の3人が、手書きのニュース・レターをウォール街の購読者に配達を始め、これを基に数年後には『ウォール・ストリート・ジャーナル紙』へと発展を遂げていきます。

 

以降、AP通信社と業務提携をし、編集者・記者数は合計3650名以上の世界トップ企業へと躍り出ます。

 

 

 


『S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス』とは

 

2012年7月、マグロウヒル(現在のS&P グローバル)の子会社であったS&P インデックス社と、シカゴ・マーカンタイル取引所のグループの子会社でもあったダウ・ジョーンズ・インデックスの合併により設立された会社の事を指します。

 

このS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが、米国の様々な業種の代表的な銘柄を選出し、平均株価をリアルタイムで公表する株価平均型株価指数を算出しています。

 

以前は『ダウ・ジョーンズ社』により公表されていましたが、2010年にダウ平均株価に関する所有権のうち、90%が『ダウジョーンズ社』からCMEグループに対し6億750万ドルで譲渡されました。

 

これが理由で2012年7月に『S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス』からの算出に移行する流れとなります。

 

 

 

NYダウとは、分かりやすく
『ダウ平均株価』の種別

ダウ平均株価の種類は4つ

 

  1. ダウ工業株30種平均
  2. ダウ輸送株20種平均
  3. ダウ公共株15種平均
  4. 上記3種を合わせた『ダウ総合65種平均』

 

『ダウ工業株30種』は、『ダウ平均』や『NYダウ』とも呼ばれます。

 

これは『S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス』が算出・公表する、米国の代表的な株価指数を指し、優良銘柄30種を選出して指数化したもので、その銘柄入替は算出会社と『ウォール・ストリート・ジャーナル』の代表者から編成される指数委員会によって算出されています。

 

米国の代表的な株価指数と言えば、この『ダウ工業株30種(ダウ平均)』と『S&P500』が最も有名です。

 

どちらもメディアで随時更新されるほど重要な指標となり、アメリカの株式市場の動向を探るうえで重要なファクターとなります。

 

また、世界経済を牽引する米国の株式市場は、世界中のマーケットにたいへん大きな影響を持ちます。

 

こういった観点もあり、アメリカの株価指数の動向を知るということは、トレーダーとして市場動向を探る上で必要不可欠だと言っても過言ではないでしょう。

 

 

 


『S&P500』とは

 

『S&P500』とは、『S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス』が算出・公表したアメリカの証券取引所に上場する代表的な500銘柄で構成される株価指数の事を指します。

 

これはニューヨーク証券取引所(NYSE)NASDAQに上場した500銘柄(24産業グループ)の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し、指数化したものです。

 

また『S&P500』は、アメリカの株式市場の大型株の動向を示す株価指数でもあります。

 

関連するインデックスでは、『S&P100』、『S&P MidCap 400』、『S&P SmallCap 600』、『S&P Composite 1500』があります。

 

 

 


『ダウ平均』と『S&P500』の違いとは

 

今回解説した『ダウ平均』と『S&P500』は米国株の重要なインデックスとなります。

 

この2つの違いを見ると下記にマトメた6つの相違点があります。

 

  1. 『ダウ平均』は、構成される30銘柄の平均株価を指数化していますが、『S&P500』は、構成500銘柄の時価総額を指数化したものです。
  2. 『ダウ平均』は、『ドル/セント』が単位であるのに対し、『S&P500』は、『ポイント』を単位とします。
  3. 一般的に『ダウ平均』が『S&P500』より注目されがちですが、米国株の『ベンチマーク(運用成績の評価尺度)』としては、『S&P500』の方が良く使われます。
  4. 『ダウ平均』は、株価の高い銘柄の動きに連動し影響されやすく、『S&P500』は、『時価総額』の大きな銘柄の動きに連動し影響されやすいという特徴があります。
  5. 『ダウ平均』は、構成される銘柄が『30銘柄』と少なく、これに対し『S&P500』は、流動性の高い大型株を中心に選んだ『500銘柄』と銘柄数に大きな違いがあります。
  6. 値動きに関してわかりやすく言うと、『ダウ平均』は『S&P500』より銘柄数が非常に少なく、これが理由で上下に振れ幅が広くなる特性があることも覚えておきましょう。

 

 

 


『S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス』に関する歴史

 

  • 1882年:『ダウ・ジョーンズ』による『Dow Jones Average』の算出を行う。現在の『ダウ輸送株20種平均』の前身になります。
  • 1923年:『スタンダード・スタティスティクス・カンパニー』による株式市場指数の算出が行われます。
  • 1941年:『スタンダード・スタティスティクス・カンパニー』は『プアーズ・パブリッシング』と合併し、『スタンダード&プアーズ』となります。
  • 1957年:『S&P 500』の算出を始めます。
  • 1966年:『マグロウヒル』が『スタンダード&プアーズ』を買収を行います。
  • 1982年:『シカゴ・マーカンタイル取引所』が『S&P 500』による指数先物取引を開始します。
  • 1999年:ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアや日本を網羅する世界初のグローバル指数の算出を始めます。(※債券指数やコモディティ指数等を含めた対象を拡大し始めたのもこの時期です。)
  • 2007年12月:『ダウ・ジョーンズ』は『ニューズ・コーポレーション』の傘下の一員となります。
  • 2010年:『インデックス算出部門』は『ダウ・ジョーンズ・インデックス』として、『シカゴ・マーカンタイル取引所』グループに株式の9割が売却されます。
  • 2011年11月、『マグロウヒル』と『シカゴ・マーカンタイル取引所』のグループの間で、『S&P インデックス』と『ダウ・ジョーンズ・インデックス』の合併が合意されます。
  • 2012年7月:『S&P インデックス』と『ダウ・ジョーンズ・インデックス』が正式に合併し、現在では世界最大の指数算出会社となります。

 

 

 

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