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『ロンドンフィックス』とは
英語表記:London Fix(直訳:ロンドンの値決め)
ニューヨークカットオフタイム同様に、為替相場の値動きに大きな影響を与える『ロンドンフィックス』
今回はこの『ロンドンフィックス』の時間や傾向について詳しく解説します。
『ロンドンフィックス』は『ロンドンフィキシング(London Fixing)』とも呼ばれています。
『ロンドンフィックス』は、日本の仲値のイメージで捉えれば良いでしょう。
『ロンドンフィックス』は毎日取引される
『ロンドンフィックス』とは、現地時間の16時(夏時間15時)に行われるフィキシング(値決め)のことを言います。(※日本時間:25時/夏時間24時)
この時間に金(Gold)のスポット価格の値決めを行い、ロンドン市場における銀行の対顧客取引の指標となる為替レートを算出し、これを公表する時間帯です。
また『ロンドンフィックス』は、外国為替市場で有価証券の決済に絡んだオーダーが多い時間帯と重なる傾向があり、フィキシングタイムに相場が大きく動く理由はこういった背景がある事も押さえておきましょう。
ロンドン市場における金や貴金属の現物取引は世界で最も重要な位置を占め、ここで決定される金価格は世界中の金の価格指標になります。
また通常、金はドル建てで取引されており、『ロンドン・フィックス』によりドル資金との需給関係に影響を与えることから、『ロンドン・フィックス』が重要視される最大の理由です。
『ロンドン・フィックス』の影響で、為替が大きく動く傾向があるのはこういった理由があるからです。
上の図はドル/円の5分足チャートです。
赤枠で囲んでいるのがフィキシングタイムの30分前から『ロンドンフィックス』までのチャートです。(夏時間/東京23:30〜24:00間)
チャートを見て頂くと大きく下落しているのが確認できます。
この時ファンダメンタルズ的要因は一切ないので、如何に相場が『ロンドンフィックス』の影響を受けているかが解ります。
『ロンドンフィックス』を使った手法
『ロンドンフィックス』に的を絞り、多くのトレーダー達が売買を行います。
数ある手法の中でも『ロンドンフィックス』ではスキャルピングが有名です。
『スキャルピング』とは短時間取引に特化した手法の事をいい、僅かな変動値を狙って取引回数をこなし、またそれを積み上げる事で利益を得るといった手法の事を言います。
利幅が取れない分、利益を大きく得られるよう取引の注文量を増やし、ハイレバレッジのトレードが中心です。
『ロンドンフィックス』では短時間で大きな変動値を得られる可能性があり、スキャルピングを行うトレーダー達が多いのも『ロンドンフィックス』の特徴(傾向)でもあります。
但しスキャルピングは、中・長期での変動値を無視したハイリスクな取引となりますので、初心者等が取引を行う環境ではない事をご周知下さい。
スキャルピングは、相応の経験や知識が必ず必要となるので注意が必要です。
『ロンドンフィックス』ではスプレットが広がる傾向にある
今回解説した『ロンドンフィックス』を含め、短期的に変動の可能性がある相場ではスプレッド(FX会社に対する手数料)が必ずと言って良いほど広がる傾向にあります。
通常スプレッドが広がるのは重要な経済指標の発表前後ですが、『ロンドンフィックス』も他では有りません。
こういったリスクを避けるためにも、トレード前のスプレットチェックは必ず行うようにしましょう。
『ロンドンフィックス』ではスリッページの傾向がある
『ロンドンフィックス』では、相場が短期的に大きな変動を生じる可能性が高く、思惑のポイントで売買を行っても、実際には希望通りの価格とは違う場所で注文が約定する事が多くあります。
これは注文価格と約定価格に差が生じる現象で、こういった事象を表現するのに『約定が滑る』といい、またこの事象の事をスリッページと呼んでいます。
『ロンドンフィックス』での約定拒否
『ロンドンフィックス』では、FX取引業者にもよって約定が拒否される傾向があります。
これは短時間に多くの注文が殺到し、それを捌ききれずに起こりうる事象です。
まとめ
今回は『ロンドンフィックス』に焦点をあてました。
相場における『ロンドンフィックス』が如何に重要な時間なのかという事が理解できたと思います。
数あるフィキシングタイムの中、この『ロンドンフィックス』はニューヨークオプションカット同様にトレードにおける重要なフィクサーに変わりはありません。
こうした背景を踏まえ、『ロンドンフィックス』での取引時間は注意を払う事が大切です。