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『ドルペッグ制とは』分かりやすく解説
英語表記:dollar peg
『ドルペッグ制』とは、自国の『貨幣相場』をアメリカドルに連動させる事を言います。
『ペッグ制』を採用する理由
政情の不安定な開発途上国などは経済基盤が弱く、これに準じて自国の通貨が常に不安定になる為、その国の政府や中央銀行などが金利調節や為替介入等を行い安定化を図ろうとします。
その中で『ペッグ制』と呼ばれる為替制度を利用し、経済的に関係の深い大国との通貨と為替レートを維持する事で安定化を進めます。
基軸通貨と連動する『ドルペッグ制』
『ペッグ制』の中でも、基軸通貨であるアメリカドルと連動させることを『ドルペッグ制』と言います。
国際通貨であるアメリカドルを用いる事により、海外からの資本流入が主な目的です。
また『ドルペッグ制』を採用する国々はアメリカドルより金利を高くする傾向があります。
※余談ですが、事実上の『ドルペッグ制』を採用する国の中で有名なのが中国の『人民元』です。
『ドルペッグ制』のメリット
- 基軸通貨のアメリカドルと連動させる事で、自国通貨の安定化を図り為替変動リスクを防げる。
- 基軸通貨のアメリカドルと連動させる事で、対アメリカ貿易での採算性を安定させる事が出来る。
- 自国経済が良く、アメリカドルが弱い場合は経済的に有利な事が多い。
『ドルペッグ制』のデメリット
- アメリカの政策金利の影響を直接受ける制度なので、自国通貨への裁量力が弱く、常にアメリカ経済の動きにさらされる事になります。特にドル高が進めば自国の経済運営に大きな影響が出ます。(※過去にあったアジア通貨危機が有名です)
- 主な貿易相手国が不況に陥った場合、相手国が変動相場制を採用して自国の『ドルペッグ制』で調整できない場合は自国も不況に陥る傾向が強くなる。
- 自国経済が悪い場合、ドル高に向かえば経済は悪くなる。
『ドルペッグ制』を導入する主な国々
- 中国/人民元(実質上)
- 香港/香港ドル
- エルサルバドル/コロン
- パナマ/バルボア(硬貨のみ)
- 中東産油国(パナマは撤退済み)
- バミューダ諸島/ドル