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『先物取引』とは
英語表記:Futures trading
『先物取引』とは、デリバティブ取引の一種です。
わかりやすく言うと、現時点で将来の売買を予め約束する取引の事を言います。
つまり、ある対象商品を将来の一定の期日に、今の時点で取り決めた価格で取引することを約束(保証)する契約です。
『先物取引』の3要素
- いつ
- 何を
- いくらで売買する
『先物取引』とは、『将来的な取引を約束する契約』の事を言います。
『先物取引』は世界各地にある取引所(マーケット)を通して日々取引が行われています。
主な『先物取引』の種類
『金利先物取引』
短期金利を対象とした取引
『債券先物取引』
債券を対象とした取引
『株価指数先物取引』
株価指数を対象とした取引
『通貨先物取引』
通貨を対象とした取引
『商品先物取引』
コモディティ(商品)を対象とした取引
『排出権先物取引』
排出権を対象とした取引
『電力先物取引』
電力を対象とした取引
※余談ですが差金決済を含んだ世界初の『公認先物取引』は日本で行われました。これは1730年に行われた、幕府公認の大阪にある『堂島米会所』での米の『先物取引』になります。
『仕組み』
『先物取引』は、取引所が指定する一定の証拠金を預託するだけで取引(売買)が可能です。
『先物取引』での将来の決済については、期日に現物を受渡しすることは殆どありません。
反対売買を行い、差額授受により決済(差金決済)するのが普通です。
尚、取引には通常複数の限月が設定されています。
- 『買い方』は先物相場の上昇により利益を得る事が可能
- 『売り方』は先物相場の下落により利益を得る事が可能
『先物取引』の役割とは
『先物取引』はマーケットで広く利用され続けています。
主な機能と役割を下記にてマトメました。
- 適正価格を定めるための価格の市場調整機能を要する
- 将来的に起こり得る価格変動の影響を避けるためのリスクヘッジ機能
- 価格変動を利用して利益を得るスペキュレーション取引が可能
- 現物と先物との価格差に着目したアービトラージ取引(裁定取引)が可能
日本における『先物取引』の取引所
今現在、日本における『先物取引』には下記に示す取引所があり、その中でも株価指数(日経平均株価)を対象とした、大阪取引所の日経225先物が最も人気があり、また盛んに取引されています。
- 大阪取引所:株価指数、配当指数、VI、REIT指数、国債
- 東京金融取引所:金利
- 東京商品取引所:貴金属、石油、ゴム、農産物、粗糖
- 大阪堂島商品取引所:米、農産物、粗糖
『先物為替レート』とは
英語表記:Forward Rate(フォワードレート)
『先物為替レート』とは、未来の『為替レート』の事を言います。
これは将来的に通貨を交換する契約において表示されるレート(値)でもあり、今現在の為替レート(直物為替レート)と金利(2つの通貨の金利差)から決定されます。
あと『為替レート』には、通貨の受け渡しの時期によって以下の2つのレートに分かれます。
- 直物為替レート
- 先物為替レート
※『先物為替レート』は、取引日から3日営業日以降に通貨の受け渡し(資金決済)が行われる『為替レート』の事を言います。
提示期間
主に『ドル/円』、『ユーロ/ドル』、『ポンド/ドル』等の場合、5年までの『先物レート』がマーケットに建てていますが、通常は1年までの取引が殆どです。
また、その他の通貨も1年までの取引がメインとなります。
プレミアム&ディスカウント
『先物為替レート』の変動原因としては、直物相場が変動する場合と2通貨の金利差が変動する場合の2種類があります。
また、『プレミアム』と『ディスカウント』は、『先物為替レート』と『直物為替レート』の比較から決まるカタチとなります。
流れ
・現在のレート > 先物為替レート → ディスカウント
・現在のレート < 先物為替レート → プレミアム
レート(値)の決定
『先物為替レート』は、将来的な通貨の交換が等価で行われます。
2通貨の現在レート(スポットレートと言います)と金利差(スワップレート/直先スプレッドと言います)から決定されます。
ディスカウント
『先物為替レート』=『直物為替レート』-『スワップレート』
プレミアム
『先物為替レート』=『直物為替レート』+『スワップレート』