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ECBとは
トレーダーの方なら、この『ECB』が発表する指標の重要性が分かると思いますが、今回はこの『ECB』について解説していきたいと思います。
『ECB』を分かりやすく解説
英語表記:European Central Bank
・設立:1998年6月
・本部:ドイツ・フランクフルト
・目的:ユーロの通貨発行・管理
・組織:役員会、政策理事会、一般理事会
『ECB』とは、欧州中央銀行の事を言います。
ユーロ圏19か国から成る金融政策を一手に担う中央銀行の事です。
この『ECB』の組織網はドイツ連邦銀行およびドイツ州立銀行をモデルにしたのは有名な話です。
過去にあった世界金融危機以降、ドイツ連銀によるユーロ圏での牽引力が低下した背景が『ECB』設立の一端になります。
『ECB』はユーロ圏における物価の安定を主とした目的で組織され、ユーロ圏の金融政策を担う中央銀行です。
『ECB』は1998年に前身でもあるEMI(欧州通貨機関)を内外共にリニューアルし、ユーロ圏内における金融政策の策定や実施、またユーロ発行や管理為替操作(外国為替オペレーション)の実施、他に加盟国の公的外貨準備の保持・管理、決済制度等々の運営を行うのが主たる目的です。
『ECB』所在地
『ECB』はユーロ圏における中央銀行です。
『ECB』は他国からの政治的介入を受けず、またこれを拒否し、独立性を保ちユーロ圏における物価安定を図るのが主な目的です。
『ECB』はユーロ圏最大の金融センターのあるフランクフルトに本店を構えており、他の欧州連合(EU)の諸機関も混在します。
少し余談ですが『ECB』は本店ビルが建設されるまで、同じくフランクフルトにあるユーロタワーに本店を置いていました。
1999年、『ECB』は国際建築コンペティションを開き、新本店ビルのデザインを公募。
その結果ウィーンを拠点に活動する設計事務所コープ・ヒンメルブラウがデザインを請け負います。
新本店の本館ビルを含む関連施設は約180メートルの高さを持ち、フランクフルト東部の卸売市場跡を眺望できる素晴らしい高層ビルです。
『ECB』ビルの着工は2008年10月から始まり2014年に完成。
同年に新本店での業務を開始します。
『ECB』歴代総裁
- 1998-2003:ウィム・ドイセンベルク(オランダ)
- 2003-2011:ジャン=クロード・トリシェ(フランス)
- 2011-2019:マリオ・ドラギ(イタリア)
- 2019-現在に至る:クリスティーヌ・ラガルド(フランス)
『ECB』としての役割
『ECB』は、ユーロシステムおよび欧州中央銀行制度(ESCB)の中核として位置づけされています。
ユーロ圏における加盟国の中央銀行を管理し、またこれを総括する役目を担い、『ECB』加盟国の中央銀行は託されている任務を『ECB』と共に業務を遂行します。
『ECB』はインフレ動向に特に敏感な組織であり、日本の日銀に比べ臨機応変に対応するのが特徴です。
またこの一方で、為替介入については非常に慎重な対応をとるのが『ECB』の特徴でもあります。
『ECB』詳細業務
・金融政策の決定と実施
・加盟国の公的外貨準備の保有と運用
・外国為替操作の実施
・決済制度の円滑な運営
『ECB』政策理事会とは
ECB政策理事会は、『ECB』の最高意思決定機関になります。
現在(2020年)、金融政策などの会合は6週間に1度です。
また会合後に会見が開かれると同時に議事要旨も公表され、総裁発言を文書で補足する一種独特な会見になります。
『ECB』政策理事会メンバー
・ECB総裁
・ECB副総裁
・4人の理事
・ユーロ圏各国の中央銀行総裁
※『ECB』政策理事会には、ユーロ圏における各国の政府関係者も出席しますが、『ECB』の独立性を保持するため金融政策への関与は一切できなくなっています。