FXにおけるフラクタル構造(理論)とは
『フラクタル構造(理論)』とは、どんなに小さな一部分を切り取っても、それが全体と同じ形をあらわしている構造の事を言います。
『フラクタル構造(理論)』を日本では自己相似と呼んでいます。
今回は『フラクタル構造』の概念を通じ、FXでの取り入れ方なども交えて解説していきます。
『フラクタル構造(理論)』とは
『フラクタル構造』のものは沢山ありますが、有名なのは雪の結晶や海岸線でしょう。
例えば雪の結晶を顕微鏡で先端拡大してみると、そこには結晶全体と同じ形をした小さな結晶が集まっていているのが分かります。
これが『フラクタル構造』と言われるものです。
あと海岸線の形なども同じです。
海岸線を上空から見た場合、目に入る図形は複雑に入り組んだ形状をしていても、そこから更に上空から観察する事で、その細部の変化が少なくなり、滑らかな形状になっていきます。
これとは逆に海岸線へ上空から近づき、どれだけ近づいても同じように複雑に入り組んだ形状が現れてくるのです。
この海岸線の構造も雪の結晶と同じ『フラクタル構造』と言われています。
フラクタル幾何学(理論)の創始者
提唱者:ブノワ・マンデルブロ(Benoit B. Mandelbrot)
数学者、フラクタル幾何学(理論)の創始者
(1924年~2010年)フランス人
前述した海岸線など遠目では滑らかな形ですが、近くで見れば 見るほど凸凹や枝分かれした形状が確認出来ます。
こういった自己相似なパターンに対して『フラクタル』という言葉を残したのがブノワ・マンデルブロです。
また『フラクタル理論』は数学や物理学を始め、経済学や生物学などでも広く利用されています。
チャートにおける『フラクタル構造(理論)』
私達FXトレーダーが日々使用するチャートも、この『フラクタル構造』と言えるでしょう。
例えば日足チャートをイメージして下さい。
この日足チャートで示されるロウソク足1本は24時間で生成されたものになります。
その内容を見るには下位足のチャート(この場合4時間、1時間と言った感じ)を見れば確認出来ます。
更に下位足チャート(次は15分や5分といった感じ)を見て行けば更に内容を細かく精査する事も可能です。
日足から見て下位足は日足の一部と言う事が認識できます。
この『フラクタル構造(理論)』を使い、応用した手法がいわゆるマルチタイムフレーム分析と言われるものです。
例えば4時間足のチャートが上昇トレンドだったとします。
その上昇トレンドの先端を15分足で拡大すると、そこにはヘッドアンドショルダーが出来ていたりもするものです。
そういった場合、長期的には未だ上昇トレンドが続くかもしれませんが、短期的には上昇の動きは収まる可能性が高いとも判断ができます。
こういった場合は買いのポジションを手仕舞いしても良いと判断が出来ます。
こうした『フラクタル構造(理論)』を利用し、大きな流れの中の小さな動きを分析したり、小さな動きが、大きな流れに及ぼす影響を推測できたりするのが『フラクタル構造(理論)』の最大の魅力です。