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『資源国通貨』の特徴とは
『資源国通貨』とは、下へ記す主な3資源を産出し、この資源を主な輸出品としている国の『通貨』のことを言います。
『資源国』の主な3資源とは
- エネルギー資源
- 鉱物資源
- 食料資源
では、この3資源を主要な輸出品としている『資源国』を具体的に見ていきましょう。
代表的な『資源国』とは
オーストラリア
通貨名:オーストラリアドル
主な資源:鉄鉱石、石炭、石油、金、ボーキサイト、ウラン、農産物
主な輸出先相手国:中国・日本・韓国
ニュージーランド
通貨名:ニュージーランドドル
主な資源:農産物、畜産物
主な輸出先相手国:中国・オーストラリア・アメリカ・日本
カナダ
通貨名:カナダドル
主な資源:石油、天然ガス、石炭、金、ウラン、農産物
主な輸出先相手国:アメリカ・EU・中国・メキシコ・日本
ブラジル
通貨名:ブラジルレアル
主な資源:農業、鉱業、原油
主な輸出先相手国:中国・アメリカ・アルゼンチン・オランダ・チリ・ドイツ・スペイン・メキシコ・日本
南アフリカ
通貨名:南アフリカランド
主な資源:金、プラチナ、ダイヤモンド
主な輸出先相手国:中国・米国・ドイツ・日本・インド・ボツワナ
ノルウェー
通貨名:ノルウェークローナ
主な資源:石油、天然ガス
主な輸出先相手国:イギリス・ドイツ・オランダ・スウェーデン・フランス
『資源国』の主な輸出相手国の特徴
上に示した『資源国』の主な輸出相手国の特徴として、オーストラリア・ニュージーランド・ブラジル・南アフリカは中国に対する依存度が非常に高く、中国経済と密接な関係があります。
こういった背景もあり、中国経済が好調な場合は『資源国通貨』も買われやすい傾向となり、逆に中国経済に陰りが見えた場合は売られやすくなるのも『資源国通貨』の特徴です。
また、カナダやノルウェーの主な輸出相手国は先進国となるため、コロナショックにおける損失は中国へ輸出依存している資源国に比べ少ないとされています。
『資源国通貨』の特徴
外国為替市場での『資源国通貨』の特徴ですが、主に『資源』を輸出する事が、その国の経済軸となっているため、扱う『資源』の価格推移により影響を受けやすくなります。
例えば『資源国通貨』でもあるカナダドルは原油価格と密接な相関性があり、ファンダメンタルズ等における何らかの影響を受けると『原油価格』が下落し、『カナダドル』は売られる傾向にあるということです。
コロナショックによる『資源国通貨』への影響
未曽有の金融危機でもある今回のコロナショックによる『資源国通貨』への影響は計り知れないものが在ります。
世界恐慌をも上回るコロナショックによって、今後も『資源国通貨』は投資家たちのリスク回避策として資金が引き揚げられ、これにより急落する可能性が非常に大きいと言われています。
コロナショックによる世界経済の低迷が続く中、リスクマネーの供給が途絶え、『資源国通貨』が暴落するというシナリオも投資家たちには必要です。
『資源国通貨』は金利変動における観点からも高金利に推移してきた以上、下げ幅の余地が大きく、『コロナショック』による景気低迷で目が離せない状態が続く事が予想されています。
2008年に起こったリーマンショックでは、『資源国通貨』の対円での下落率はアメリカドルと比較しても大きく急激な弧を描き暴落しました。
こういった過去の経緯もあり、コロナショック以前はハイリターンが望める『資源国通貨』ではありましたが、現在ではハイリスクを伴う通貨でもありますので安定を求める資金には不向きだということが分かります。