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【アベノミクス/3本の矢】わかりやすく解説
過去に安倍内閣が行った『アベノミクス』は、海外からもたいへん称賛された政策です。
今回はこの『アベノミクス』が行った『3本の矢』を、新旧ともにわかりやすく解説します。
『アベノミクス』とは
『アベノミクス(安倍ノミクス)』とは、2012年12月に誕生した安倍晋三内閣(安倍政権)における一連の経済政策の事を指します。
『アベノミクス』の名前の由来
安倍晋三氏の名前と、経済学用語である、エコノミクスを組み合わせた造語です。
過去にあった、レーガノミクス(1980年代の米国のレーガン政権の自由主義経済政策)と同じニュアンスで作られた言葉です。
この『アベノミクス』という言葉は、政権奪取前の2012年11月頃から多く使用され始めています。
『アベノミクス』の3本の矢(旧)とは
- 大胆な金融政策
- 機動的な財政政策
- 民間投資を喚起する成長戦略
『アベノミクス』は上に記す『三本の矢(三つの基本方針)」からなっており、その内容は国内外から広く注目されました。
しかし、この『アベノミクス』の本政策に関しては支持する、しないという各専門家の意見は国内外において大きく分かれていたのも事実です。
『アベノミクス』3本の矢(旧)の概要
1.大胆な金融政策とは
日本銀行が大胆な金融緩和(金融政策)を行い、世に出回るお金の量を大く増やし経済(景気)を活気づけるという政策です。
長い間、日本経済の足を引っ張るデフレマインドを一掃する観点から行われ、その概念はお金の量を増やしデフレからインフレへと脱却するリフレーション(リフレ)政策を実行するといったものです。
具体的に日銀は、2013年4月に「量的・質的金融緩和(異次元緩和)」を導入しています。
2.機動的な財政政策
過去の民主党政権時代から一転し、大規模な公共事業を全国的に行うことで不況に陥った経済(景気)を奮起させ、日本経済を再活性化しようとする政策です。
その概念は、典型的なケインジアンの経済政策であり、その内容は防災やインフラを推進する国土強靱化計画が基になっています。
3.民間投資を喚起する成長戦略
規制緩和や新市場創造により、民間活力の再活性化を実現しようとする政策です。
今後10年間の平均で名目GDP成長率3%程度、実質GDP成長率2%程度の実現を目指すといったもので、具体的には規制改革などを柱とする成長戦略『日本再興戦略-JAPAN is BACK-』がコレにあたり閣議決定がなされています。
【日本再興戦略の3つのアクションプラン】
『日本産業再興プラン』
・緊急構造改革プログラム(産業の新陳代謝の促進)
・雇用制度改革・人材力の強化
・科学技術・イノベーションの推進
・世界最高水準のIT社会の実現
・立地競争力の更なる強化
・中小企業・小規模事業者の革新
『戦略市場創造プラン』
・国民の健康寿命の延伸
・クリーン・経済的なエネルギー需給の実現
・安全・便利で経済的な次世代インフラの構築
・世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現
『国際展開戦略』
・戦略的な通商関係の構築と経済連携の推進
・海外市場獲得のための戦略的取組
・日本の成長を支える資金・人材等に関する基盤整備
『アベノミクス』による『新・三本の矢』とは
日本の構造的な問題である、これからの少子高齢化に逃げることなく正面から挑み、以下の『新・3本の矢』の実現を目的とする内容の趣旨が2015年に閣議決定されます。
- 『希望を生み出す強い経済』
- 『夢をつむぐ子育て支援』
- 『安心につながる社会保障』
この『新・三本の矢』は、わかやすく言うと『一億総活躍社会』の実現に向け、政府と国民が一緒に取り組んでいくといった内容です。
『一億総活躍社会』とは
- 若者から高齢者、女性、男性、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会の事を指します。
- 一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望が叶い、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会を言います。
- 強い実体経済の実現に向け、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システムの事を指します。