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『通貨記号 』の重要性
世界各国で使用される通貨ですが、国際通貨として扱われている通貨には必ず『通貨記号』というものが使われています。
今回はこの『通貨記号』の一覧を含めて解説します。
『通貨記号』とは
『通貨記号』とは、通貨に使用される名前を簡略化した『図形記号』のことを言います。
通貨は国際的に登録されるのですが、この時に『ISO 4217コード』というものが用いられます。
この『ISO 4217コード』とは、『ISO』で制定された国際標準の一つになり、世界各国で使用されている通貨の名前を3文字のコードで簡略化して国際登録し、共通認識のもとで通貨を流通させる事が目的です。
今では世界各国でこの『通貨記号』は多く用いられていますが、未だに固有の『通貨記号』を持たない通貨も多く存在します。
※『ISO』とは、スイスに本部がある民間の機関で、『International Organization for Standardization』を略したものです。日本では『国際標準化機構』と呼ばれ、『世界的規模で標準をつくる』といった組織の事を言います。
主な通貨の『通貨記号』一覧リスト
★通貨記号国★ | ★通貨呼称★ | ★通貨記号★ | 略号 |
---|---|---|---|
アメリカ | USドル | $ (ドル), ¢ (セント) | USD |
ユーロ圏(EU) | ユーロ | € (ユーロ), ¢ (ユーロセント) | EUR |
イギリス | イギリスポンド | £ (ポンド) | GBP |
中国 | 人民元(中国元) | ¥(圓/えん) | CNY |
韓国 | 韓国ウォン | ₩ | KRW |
ノルウェー | クローネ | Kr | NOK |
スイス | スイスフラン | Fr | CHF |
『通貨記号』を入れる場所の規定は無し
世界各国で使用されている貨幣には、通貨価値としての数字が必ず刷り込まれています。
この数字の前後に『通貨記号』が組み込まれるのですが、現時点では特別な場所規定等が無く、各国において『通貨記号』が置かれる場所は様々です。
『英語圏』・『ラテンアメリカ』は額面前表記
- £50.00,
- R$50,00
ヨーロッパ各国(フランス・ドイツ・スカンジナビア諸国)は額面後表記
- 50.00 S₣
カーボベルデ・エスクードは
- 50$00
フランス・フラン(小数点の位置に示す)
- 12₣34
※小数点の区切り文字は地域、言語などによってそれぞれ異なります。イギリスの価格表記は £5·52 と小数点を中黒で記され、5,00 € とピリオドをコンマで示す国も多いのが特徴です。
『通貨記号』に秘めたデザインの歴史
私達がいま目にする世界各国の『通貨記号』のデザインですが、『ISO(国際標準化機構)』で標準化される前から現行の元となるデザインが施されていました。
その中でも古くから使われている『通貨記号』2点を例に挙げます。
ドルとペソの記号 ($)
- 『スペイン・ドル』とも呼ばれ、8レアル銀貨で使われていたデザインを施しています。
ポンドとリラの記号 (£)
- 古代ローマの通貨でもある、『リーブラ』の頭文字、『 L 』のデザインが基になっています。
※『通貨記号』でよく使われる中央の直線ですが、これはその国の安定を象徴したモチーフです。
『ユーロ通貨』が認知された理由
新しい国際通貨では、皆さんもよくご存じの『ユーロ』があります。
この『ユーロ』の導入により、ヨーロッパで使われていた多くの歴史ある『通貨記号』は現在使われなくなりました。
『欧州連合(EU)』は新しい自国の国際通貨の『通貨記号』として『€』を定義し、文字コードと字形をUnicodeに登録し、『ユーロ記号』の世界的な標準化(認知)が『ユーロ』の成功に寄与したと言われています。