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ケンジョー

ドル円専門トレーダー

当ブログ、FXトレード学園を運営するトレーダーのケンジョーです。約10年、ドル円と向き合い続けている現役の相場師です。このブログとnoteでは、私が培ってきた相場に関するノウハウを書き留めました。ぜひ一度、覗いてみて下さい。当ブログには為替の専門知識はもちろんのこと、株取引や暗号資産等、投資家に必要な知識をほぼ網羅しています。またnoteでは日々の相場予測や貴重な裏情報も記事にしています。もちろん私の手法(ハントダウン手法)も書き留めています。これらの情報が皆さんのトレードの一助になれば嬉しいです。

相場歴36年
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【今週のFOMC徹底解剖】指標は全部強いのにFRBは急がない~その「ねじれ」の正体と、投資家が見るべき3つの窓~

どうも、ケンジョーです。
今週はいよいよ金融政策ウィークですね。
FOMC(10/27・28)を筆頭に、主要中銀が一週間で連戦する、相場師にとって一年で最も「お祭り」に近い週のひとつです。
それでは今週のFOMCを中心に、いってみましょう。

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▶ 今週の焦点
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・FOMCは10/27・28開催。現行の政策金利は3.75〜4.00%(9月に3年2カ月ぶりの利上げを実施)。
・CPIもPPIも原油も、ことごとく「利上げを支持する」数字なのに、市場の織り込みは据え置き85〜90%前後。この「ねじれ」の正体が本題です。
・投資家が見るべきは、結果そのものより「言葉」です。声明文・会見・織り込みの3つの窓で読み解きます。

 

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■ なぜ「強いインフレなのに据え置き観測」なのか ~ねじれの正体~
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先ず現状の整理から。

ウォーシュFRB議長は9月15〜16日のFOMCで、FFレート誘導目標を0.25%引き上げ「3.75〜4.00%」とすることを全会一致で決定しました。
3年2カ月ぶりの利上げ転換です。
同時公表のドットチャートは「年内に追加で1回の利上げ」を示しており、26年は計+0.5%ptという構図です。

その後の指標は利上げの続行を支持する内容です。
9月CPIは前年比+3.7%(予想+3.6%)と2カ月連続で予想を上回り、9月PPIも前年比+6.3%とぶっちぎりの伸び。
原油は中東情勢とハリケーンの供給ショックで急騰しており、「インフレ再加速」の材料は揃っています。

それなのに10月に入るとFRB高官が相次いでブレーキを踏んでいます。
ウィリアムズ総裁は9月末に「急ぐ必要はなく、情報を集める時間がある」。
ジェファーソン副議長は10月初旬に「(政策判断には)もう少し時間がかかるかもしれない」。
ウォーシュ議長自身は10/16の講演で政策方向への言及を避け、「世界経済は5〜6カ月前に予測できなかったほどの回復力を示している」と、利上げに対する経済の耐性を強調するにとどまりました。

ここにあるのが、FRBのジレンマです。
①原油高・関税など供給ショック型のインフレは、需要を冷やす利上げでは治りにくい。
②それでも経済と雇用は堅調で、利上げを行う余地は十分にある。
③一方で、AI関連の信用不安という新しい不確実性が台頭した。
「利上げの必要性」と「利上げの適切なタイミング」が乖離している…これが今のFRBの立ち位置です。
強い指標なのにドルが金利差で素直に買われない、あのねじれはここから来ています。
10月は「急ぐ段階ではない」という判断で済ませ、判断材料を年末に積み上げる。
市場の織り込み85〜90%は、FRB高官の発信を素直に受け止めた結果ということです。

 

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■ 投資家が見るべき「3つの窓」
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前述した通り、FOMCで相場を動かすのは結果そのものよりその後の「言葉」です。
私が注目するのはこの3つの窓です。

【窓①:声明文の物価認識】
9月の声明文では「供給ショックを通じた価格上昇」という言い訳が削除されました。
これはインフレを「一時的な供給側の問題」として片付けない姿勢に転じたことを意味します。
今回、需要側の強さに踏み込む言及が増えるならタカ派、足元の物価の減速を認めるならハト派。
文言の増減がトーンの変化です。
声明文はほぼテンプレートで書かれるため、わずか1語の入れ替わりがシグナルになります。

【窓②:会見におけるAIへの言及】
9月の議事要旨では、何名かの参加者が「AIの普及を通じて需要が中期的に供給を上回り、インフレ圧力になる可能性」を指摘していました。
AIが物価を押し上げる——これまでの常識と逆のロジックです。
さらに足元では、AIモデル開発業者に計算資源を提供する「ネオクラウド企業」の一部で信用不安が浮上しています。
FRBがこの点をどう評価するかは金融市場全体のリスク感度を左右します。
警戒を強めればAI株が売られ、楽観すれば「FRBは見えていない」と投げられる。
ウォーシュ議長がこの綱渡りでどの言葉を選ぶか…。これが会見最大の見どころでしょう。

【窓③:タスクフォースの進捗】
ウォーシュFRB議長の特色のひとつです。
就任後、コミュニケーション、バランスシート、既存データ活用、生産性と雇用、インフレ枠組みの5つのタスクフォースを設置し、年末までに提言をまとめる予定です。
11月には「生産性と雇用」の公聴会も開かれます。
ここから2027年以降の政策運営の姿が見えてくる可能性があります。
「FRBそのものが変わろうとしている」——この点は今あまり注目されていませんが、中長期では最も重要なテーマのひとつだと私は考えています。

 

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■ 市場の織り込みが語るもの
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金利先物市場は今、「10月据え置き→12月利上げ→その先も利上げ継続」を織り込んでいます。
織り込み合計は+1.0%pt程度で、9月時点のドットチャート(26年計+0.5%pt、27年は据え置き)を大きく上回っています。
これは重要なサインです。
過去の利上げ局面が1〜2回で終わることは、歴史的にはむしろ稀です。
市場はその歴史経験まで織り込んでいると個人的に見ています。

つまり今の相場は、「利上げがあるか」を争っている段階ではなく、「織り込み過多になった時に何が起きるか?」を考える段階に入っていると思われます。
期待が満たされないときにこそ相場は動く…。
FOMC翌日の反応は、常に「結果」と「事前の織り込み」の差で決まる——この原則だけは、どの時代も変わりません。
「利上げが確定したのにドルが売られる」という一見不思議な現象も、織り込み過多の世界ではごく普通に起きている事象です。

尚、ウォーシュ議長は12月FOMCへの具体的な言及を避ける可能性が高いとみられます。
寡黙なスタイルです。
市場が疑心暗鬼に陥らないよう、議長に代わって高官が政策展望を積極発信する構図が続いており、FOMC後もこの「代替発信」のトーンが判断材料になるでしょう。

 

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■ 日銀と今週のスケジュール
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円サイドの主役は日銀です。
9月に利上げした後の連続利上げは見送り、政策金利1.25%を据え置く方針と伝わっています。

基調的な物価上昇率は2%に事実上到達済み。
但し12月の利上げ可能性は排除されていません。
植田総裁の会見が「次への扉を開けるか、閉めるか」の分かれ目でしょう。

スケジュールをまとめると、
・10/26(月):NZ休場
・10/27(火):FOMC初日/米9月耐久財受注、10月コンファレンスボード消費者信頼感
・10/28(水):加中銀・RBNZ政策決定/FOMC結果(29日午前3時・日本時間)
・10/29(木):米7-9月期GDP速報+9月PCEデフレーター(同時発表)/ECB理事会/日銀初日(トルコ休場)
・10/30(金):日銀結果・植田総裁会見
・11/1(日):米冬時間へ移行。来週から指標発表時刻が1時間後ろにずれます

FOMCの夜に始まって日銀の夜で終わる。
材料の濃さだけで言えば、今週は年内最大級の週です。

 

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■ ここから先の大きな方向性は?
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この先の話をする前に、ひとつ断っておきます。
ここで書くのはレートの見通しではありません。
「どちらに転ぶと、どちらの風が吹きやすいか」という構図の整理です。
投資助言でもありませんので、その点をご了承下さい。

FOMCの結果で分かれるのは、大まかにこの2本です。

・声明文・会見が「急がない」姿勢を保つ場合
追加利上げの観測は後れやすく、ドルの下支え材料は後退する方向です。
但し、その分「AI信用不安の沈静化」や「経済の底堅さ」が株を支えられれば、リスク選好を通じたドル需要が下値を拾う場面も出てくるでしょう。
一方向ではなく、材料の綱引きが強まるイメージです。

・インフレの粘り強さを強調する場合
追加利上げ観測が改めて維持され、ドルの下支え材料が復活する方向です。
もっとも、既に市場は「12月以降も利上げ継続」まで織り込んでいます。
期待を上回る強さでなければ反応は限定的に留まりやすい点に注意することです。

米GDP・PCE速報(10/29)も構図に直結します。
数字が強ければ「経済は利上げに耐えられる」というFRBの認識が補強され、インフレ再加速の視点が強まる方向。
逆に弱ければ、AI信用不安と重なってリスクオフが広がりやすい、という組み合わせです。

日銀(10/29・30)は、円サイドの風向きを決める分かれ目です。
12月への示唆を会見で残すか、消すか。
示唆が残れば「日米の金利差が縮まりにくい」という旧来の地図への疑いが一段と強まる方向です。
逆に消せば、円買いの流れに一時ブレーキがかかるでしょう。

大きな地図に立ち返ると、円サイドには追い風(日銀の利上げ継続姿勢・米FRBの「急がない」姿勢)、向かい風(原油高・残存する金利差)が同時に吹いています。
どちらに風が強まるかは、今週の「言葉」が決める感じです。

 

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■ 転換点を読む
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最後に、ファンダメンタルズの大きな地図の話をひとつ。

米国は利上げを積み上げる方向に歩み出し、日本も物価2%到達後に利上げを続ける構図です。
つまり「日米の金利差が縮まりにくい=円安一択」という、ここ数年みんなが信じてきた単純な地図は塗り替わりつつあります。
米国の利上げは円安の材料ですが、日銀の利上げ継続と米国の「急がない」姿勢は円買いの材料です。
同じ週にこの両方が並び、金利差縮小の主役が米国から日本へ交代しつつある——この構図の転換点をどう読むかが、これからのドル円の本質的なテーマになると私は考えています。

値動きの上下を当てるより、この「構図のどの位置に立っているか」を常に把握していること…。
それが相場観の土台です。
今週はその練習にうってつけの一週間です。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
声明文と会見の「言葉」を、ぜひじっくり観察してみてください。
相場観の引き出しは、こうした一次情報との日々の対話でしか増えません。
それではまたお会いしましょう!

※この情報は投資助言ではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

※この記事は、現在のファンダメンタルズに対する私個人の見解をまとめたものです。実際の私のトレード(ハントダウン手法)においては、ファンダメンタルズとは異なる視点でアプローチすることが多々あります。私にとってファンダメンタルズは、あくまで相場の「アクセルとブレーキ」という位置づけですので、その点をご留意の上、一つの参考としてお読みください。